エノキタケ


 雨の予報だったはずが山を登るに従い快晴となった。ブナ、ミズナラの大木が茂る暗く深い森の中を奥へ奥へと入り込む。谷を渡り尾根に取り付く頃には、額からたっぷりと汗をかいていた。冷たい渓水で喉を潤し顔をぬぐう。

 稜線を小一時間も登ったところでブナの倒木に可愛らしい帽子が並んでいた。そっと傘を持ち上げるとエノキの特徴であるこげ茶色の少し毛が生えた柄が見えた。

 かいた汗に報いるだけの恵みを頂いて帰る。




 撮影データ:2004年9月25日撮影、NIKON COOLPIX950、ワイドコンバーター、絞り優先オート、フラッシュオフ